当社は、2012年6月1日付けで台湾の太陽電池メーカーであるトップセル・ソーラー・インターナショナル(以下、TSI)(※1)と包括的な共同開発契約を締結しました。
この共同開発の枠組により両社のそれぞれの強みを活かし、太陽電池セルの研究開発を加速させていく予定です。また、この枠組には将来的な共同事業の検討も含まれており、ビジネス戦略上の決定的な優位性をもたらすものと期待しております。
(※1)Topcell Solar International Co., Ltd.

共同開発のパートナーであるTSIは、台湾UMC(※2)のグループ企業として2009年12月に設立されました。同社は現在、年産1GWの生産規模を持つ太陽電池メーカーであり、結晶系太陽電池の設計に豊富な経験を有しています。UMCは、台湾の大手半導体製造ファウンダリーであり、IC産業の主要分野において非常に高度な技術と量産サービスを提供しています。
(※2)United Microelectronics Corporation

・当社の岡本社長のコメント
当社のヘテロ接合技術とTSI・UMCがそれぞれ保有する太陽電池・半導体製造技術の融合という技術的側面が第一に強調できます。
これに加えて、当社の国内太陽電池市場での強みと、TSIやUMCが保有する量産展開能力および調達力との事業推進上の相乗効果も併せ、非常に強力なパートナーシップがもたらされるだろうと考えています。

長州産業の岡本要社長とTSIのリー・ウエイ・チェン副社長

・TSI社スティーブン・シェン会長のコメント
戦略的パートナーとして長州産業とソーラーセルの先端技術に関する共同開発契約を結ぶことができて非常に喜んでおります。長州産業とTSI、両社の専門技術を組み合わせて開発する製造工程が、高性能で低コストの太陽電池製造の新しい世界標準になると信じております。このコラボレーションは、長州産業の日本市場における豊富な経験とTSI-UMCの生産・調達能力の相乗効果により両社のパートナーシップをより強固にしていくと思います。

・当社の太陽電池について
当社は、2008年度からヘテロ接合シリコン太陽電池セルの開発を行ってきました。
2009年6月に試作セルの動作に成功し、2010年には、セル変換効率19%を達成しました。
本社敷地内に完成した太陽電池セル工場にて、今年2月より年産30MWの量産ラインの稼動を開始し、6月現在、セルの本格的な量産体制へ移行している段階です。
この量産ラインでは、既に変換効率20%以上の太陽電池セルの連続生産が実証できており、更なる生産プロセス技術の向上によって、年内には変換効率21%以上の太陽電池セルを安定的に生産する目処が立っています。また、これらのセルを使用した太陽電池モジュールの性能は、世界的に見てトップレベルであり、60セル構成の太陽電池モジュールでは、変換効率18.5%、最大出力302Wを記録しております。